タカカの街からほんの少しだけ外れたところに自然が作った迷路がある。その名もLabyrinth Rock Park. 25億年かけて石灰岩が削れて岩がゴロゴロの今のような見た目になったらしい。それをローカルのおじちゃんが迷路みたいになるように整備した場所なんだと。
入り口にマップが置いてあることに気づかなかった私たちは、何回目かの行き止まりに打ち当たった後に、この迷路意外と本気だと気づく。
道も奥へ行けば行くほどやっとのことで通れるくらいの小さなトンネルが出てきたり、その隙間を通るのは勇気がいるってくらいの薄い岩の隙間が出てきたり。
同じように迷ってる人と何回もすれ違うのもおもしろかった。
所々に奇妙なおもちゃや骸骨が置かれてるのもなかなかスパイス効いてて奇妙な世界に巻き込まれてる感じがした。
小一時間ほど迷路に迷い込んだ後は、もう一つ奇妙な場所へ行ってみることに。
Takakaから車で15分ほどファームの中を走ったら、そのファームのど真ん中がこのケーブへのアクセスのスタート地点だった。
時刻はすでに6時になろうとしていたので、少し急ぎ足で向かうことに。ケーブまでは2kmと距離は遠くないのだけど、それがずっと急な登り坂のようで、ちょっと頑張らないといけない。
登り始めてしばらくして、なんだかずっと誰かさんの物悲しい叫びみたいな音が聞こえることをまさき君に言うと、彼もずっと思っていたと。
5分に1回位くらいの頻度でそれは聞こえて、しかも歩けど歩けどそれとの距離感が全く変わらないかの様にずっと聞こえてくるのも奇妙だった。
二人の中できっと山の壁面に張り付いてる山羊かひつじの遠吠えみたいなのが聞こえてるんだろう、と言うことにしたが、それにしてもなかなか気になる。
1時間ちょいくらい登ったところでケーブのゲートに差し当たる。やっとたどり着いたようだ。
ロックを開けてゲートの中に入る。
30秒程たった後に、ギーーー。。と、そのゲートが開閉する音が聞こえた。
あれ?私たちの後ろに誰か歩いていたのか?と気になり、まさき君が戻って見に行ってみる。
別に誰もいない。ゲートは閉ざされたままだった。
いよいよ気味が悪くなってきたが、
その時目の前に現れたケーブが私たちのモヤモヤを吹き飛ばしてくれた。
あまりの凄さに圧倒されて二人とも最初は声が出ない程だった。
これがケーブの入り口。圧巻。
無数の剣(炭酸ナトリウムで出来るらしい)で天井は全て覆われ、ケーブの奥の方はグローワーム(土ボタル)が発光しているのが見える。
あまりの見応えにしばらく圧倒されていた。
冬の時期になると太陽の位置が下がって、この洞穴を日の光が照らす時間が一瞬あるらしい。私たちのヘッドトーチでは見えないほど奥まで続いていたこの洞穴。冬の時期にまたぜひ訪れたい。
さすがに日も暮れ始め、肌寒くなってきたので急いで下界へ帰る私たち。帰り道ではあの奇妙な叫び声はもう聞こえなくなっていた。
夕暮れ時に登るTAKAKA HILLは美しく、大冒険した旅の1日の終わりを締めくくるのに最高な気持ちにさせてくれた。
こう言う時に旅をしている時間のありがたみを感じる。
今日はこのTAKAKA HILLの見晴らし所にあるフリーダムキャンプ場Hawkes Lookoutに泊まって1日を終えることにした。